教授よりごあいさつ

蜷 直樹 教授

 Hello everyone!!! Thank you for visiting our website. 岩手医科大学病理診断学講座の蜷です。私たちのホームページをご覧いただきありがとうございます。本ホームページは皆さんに楽しんでいただけるコンテンツがたくさんあると思います。どうかじっくりご覧いただきたいと思います。

 さて、最初に、本教室の沿革について簡単に述べたいと思います。本教室は昭和57年に中央臨床検査部臨床病理部門という名称で設立された診療部門がその前身です。初代教授は高山和夫名誉教授です。高山先生は1992年に定年退職され、1993年には浜松医科大学病院病理部から中村眞一先生が二代教授として赴任されました。中村先生は消化管病理の専門家で、本教室を消化管専門の病理学教室として育てられ、多くの業績を残されました。2007年に中村先生は御退職されましたが、同年4月には本学の講座再編により病理学講座分子診断病理学分野として独立しました。2008年からは菅井有先生が同講座の特任教授、2010年からは三代目の教授となられました。菅井先生も消化管病理の専門家であり、本教室を日本でも有数の消化管病理学の教室として発展させ優れた業績を残されました。さらには、消化管のみならず、婦人科、泌尿器、呼吸器、さらには皮膚病理学に至るまで幅広く業績を残され、本教室の地位を飛躍的に向上させました。2023年3月に菅井先生は御退職なされ今までの功績から名誉教授となられました。そして同年4月からは私(蜷)が4代目の教授となりました。また本講座は付属病院の病理診断科も担当しており私が病理診断科部長を兼務していますので、大学病院の病理診断を担っています。

 次に本教室の研究テーマについて簡単に紹介します。本講座の研究テーマは、消化器病理(消化管、肝、胆道、膵臓)、婦人科病理、呼吸器病理、皮膚病理などですが、本教室は腫瘍病理学を中心に、形態と分子異常との関連性について研究を進めてきました(業績参照)。そのための手法として当教室の伝統であります腺管分離法という方法を用いています。この方法によって正常腺管や腫瘍腺管、腫瘍間質がそれぞれ個別に分離でき解析が可能になります。さらには近年、腫瘍微小環境(腫瘍と周囲間質細胞との相互関与)が積極的に研究されておりますが、この手法により間質のみを解析することが可能となりました。また、次世代シーケンサーを始めとして、各種の解析装置を用いて包括的に、さらにはその成果を治療に応用することを目標に日々研究を行っております。形態的変化を分子レベルで捉えることは今でも終着点のない研究テーマであります。形態と分子異常との関係を解析できるのは日常病理診断を行っている我々病理医の仕事であり使命であると考えております。それらのメカニズムの解明に一緒に取り組もうではありませんか?新たな刺激と知的好奇心を皆さんに提供できると思います。研究には夢があります。是非一緒にその夢の実現を目指しましょう。

 本講座のもう1つの重要な仕事が病理診断です。病理診断は種々の疾患の最終診断になります。病理診断はその"正確"な臨床診断を基礎づけています。ではいかに正確な病理診断を行って行くか。1つは知識を常にupdateさせていくことです。医療の世界は日進月歩であり病理においても例外ではありません。先人が残してくれた既存の知識はもちろん重要ですが、それらの知識はずっと同じではなく変わることもあるということを肝に銘じて日々の診断を行って行くことが重要であります。2つめは他者の意見を伺うことです。一人で参考書を相手にじっくり考えるのももちろん悪いことではありませんが、3人寄れば文殊の知恵、ともありますように複数人で鏡検をしていきます。3つめは臨床各科との情報共有です。病理検体それだけでは診断が難しいことがあり、患者データ、画像所見などを組み合わせて総合的に診断を行っていきます。そのため今まで以上に臨床各科とのカンファランスを行って行きます。「臨床に役立つ病理学」をモットーに、組織標本の向こう側に患者が待っている、この思いを忘れずに病理診断を行っていきます。

 最後になりますが、病理はあらゆる病気発生、進展のメカニズムを理解するのにとても有用です。そのため、臨床の理解のために病理を勉強したい、という臨床医も歓迎しています。気軽に我々の教室の門を叩いて下さい。教室員一同御来室をお待ちしています。

岩手医科大学医学部 病理診断学講座 教授
岩手医科大学附属病院 病理診断科 部長
蜷 直樹


教室沿革

1982年 6月
中央臨床検査部に臨床病理部門が設立。
初代教授として第一病理学講座より高山和夫先生が就任。
1993年 5月
2代教授として浜松医科大学より中村眞一先生が就任。
2008年 4月
大学講座改編に伴い、病理学講座分子診断病理学分野となる。
2008年 4月
附属病院に病理診断科が標榜される。
病理診断科部長として菅井有准教授が就任。
2008年 7月
3代教授に菅井有先生が就任。
2014年 4月
大学講座改編に伴い、病理診断学講座となる。
2023年 4月
4代教授に蜷直樹先生が就任。

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