医療安全の巡視 (2015/08/12)

標本作製業務について医療安全の面から巡視を受けました.
山田主任技師が,受付から標本作製の工程を順を追って説明し,
その都度質問に答える形で行われました.

異なる視点で作業工程を見てもらうことは大切ですね.
我々では考えもつかなったアイデアをいくつかいただきました.
巡視していただいた方々に御礼申し上げます.
                病理診断科GRM 石田 和之


以下は当日の報告の一部です.

日時)平成27年(2015)8月12日
場所)病理診断科 標本作製室
目的)組織標本作製の巡視,インシデント対策の確認
    病理診断科の業務のうち組織標本作製について順を追って説明を受け,
    医療安全の視点より意見交換を行い,昨年度生じたインシデントへの
    対策を確認した.

コメント)
1.検体提出・受付
検体の氏名はマジックで記入する以外に電子カルテから発行したシールを貼るべき
⇒ 検体を提出する各診療科に周知する必要がある.
  依頼書と検体は,1症例ごとに1対1で保管するのが鉄則ではないか.
⇒ スペースの確保が課題.
2.切り出し
コンタミネーションを防ぐために使い捨てピンセットの使用を考慮してみては.
使い捨てができなければ,ピンセットの数自体を増やした方がよい.
⇒ 術中迅速診断の切出しの際に感染対策も兼ねて使い捨てピンセットを使用する.
  感染対策にもなる.
  検体処理用のピンセットの数を増やす.
3.包埋
包埋センターの使用状況,起きやすいインシデントについて説明を受けた.
4.薄切
  薄切時のゴミにより感染の可能性はないのか.
⇒ プリオン以外の既知の感染源はホルマリン固定により失活する.
  未知の感染源に対する対策は,部内で話し合いを持つ.
5.染色
6.鏡検
7.標本提出
印字した標本になぜシールを貼るのか.
⇒ プレパラートへの直接印字がこれまでは全症例に対し機械の問題でできなかったため,
  全ての症例にシール貼付を行っていた.
  8月下旬には印字機が納入されるので,それを機会にシール貼付をなくす予定.
8.その他
各工程を誰が行ったかのチェックはどのようになっているのか.
⇒ 各工程ごとに依頼書の裏側に作業者がサインをしている.