病理診断科ポリクリの感想(○△〇班の感想) (2017/11/27〜12/1)

患者診療における病理診断の重要性をどのように理解したか。

・臨床検査では分からない疾患原因の特定や術中迅速診断等、診断・治療の観点から必要不可欠なものだと分かった。
それと同時に病理診断により治療方針が決定されることが多いので非常に責任のある職務だと感じた。
CPCにより患者さんの経過を振り返り、診断や治療が妥当だったかどうかを見直すことで今後の医療の発展につながるということが分かり、重要性を感じることが出来た。

・実際に病理学講座の教室で毎日を過ごしてみると、ものすごいたくさんの病理像を処理している印象であった。各科から多くのことを依頼され、迅速診断をはじめとした重要な決断を任されていることからしても、病理診断というものが病院を運営していくにあたってとても大切な存在であることを感じました。

・標本作製や迅速診断、CPC実習を通じて、改めて病理診断の重要性を感じた。特に、迅速診断においては、リアルタイムで手術中の患者さんの切片を即座に診断し、主治医に伝えることでその患者さんの治療方針が決定される。病理医もただオペ室にいないというだけで、その手術に関わるメンバーの1人なのだと感じた。このような大きな大学病院では、病理医と臨床医が連係して患者さんの治療を行うことができるのだと再認識することができた。

・病理診断が最終診断になるということは、講義等で十分に理解していたものの、実際にその診断が行われている近くに身を置き、先生方の言葉ややりとりを耳にすると、その重要性、重大性を十分に感じることができた。まさにその患者さんの人生を左右する一言が飛び交う現場が病理診断科なのだと理解できた。

・病理診断は、臨床症状から導かれる様々な病態を裏付けるためのとても重要な作業だと感じた。身体の中で起きている症状を細胞や組織レベルで確認することは患者診療において最も基礎的なことであると感じる。病理診断をすることで、患者さんの病態を理論的に明らかにし、さらにはその後の治療法までを決定することができる。診療科を対象に行っているので、病理診断は医療を行う上で最も重要であると言える。

・各診療科の医師は臨床所見から鑑別診断をあげて病理室に様々な検査を依頼するが、最終的に病理所見を見て診断を下すのは病理医だと分かった。各診療科の医師と病理医との信頼関係や連携はとても重要だと思った。また、病理医は全身すべての病態を理解できていないと正しい診断ができないと思った。
術中迅速診断で、手術室から検体が運ばれてきて技師さんによって標本が作られ病理医の先生達がスライドを見て手術室に電話で結果を伝えるまでの一連の流れを見ることができたのはとても貴重な体験で、術中迅速診断の重要性を強く感じた。早く正確に診断するためにも正しい知識と経験が必要だと思った。


病理診断科臨床実習の感想

・正常組織から各疾患まで様々な症例を見ることができ、その度要点を教えていただけたので理解が深まりました。どの先生も丁寧に教えてくださったのがよかったです。標本作製の過程やそれにある程度時間がかかることも分かりました。細胞診でたくさんの情報を得ることができるということに驚きました。

・医師だけでなく技師さんなど様々な職種の方と実習を共にすることで、プレパラート1枚にかかっている多くの労力を体感できるのはとても貴重な経験でした。また、1週間という短い実習期間の中で分刻みのスケジュールはとてもハードでしたが、菅井先生のお話も含めて学習意欲を高めていただいた実習でした。

・初めての臨床実習が病理ということで、私自身苦手意識のある科目であったので、始まる前はとても緊張していた。実際に病理医の仕事を間近で見ると、授業で聞いて分かったつもりになっていたことが答えられず、自分自身が情けなくなった。病気をミクロレベルで見て診断をつけることの難しさも感じた。CPC実習では、1人の患者さんのデータを見て、色んな角度で疾患を考え、明確な理由をもって診断をつけることの大変さを痛感した。この1週間で、まだまだ勉強が足りないということに気づけたので、これから始まる臨床実習に向けてもう一度全身のミクロ像を復習しようと思った。そういう意味でも、最初の実習が病理で良かったと思う。

・全40週のスタートということで、色々な意味での緊張状態を保ったままに過ぎた1週間だった。初日にスケジュール表を見た時はCPC実習に取り組む時間が長く、こんなに長い時間何をするのだろう…と思っていたが、実際に取り組んでみると、臨床と病理との相関を保ちながら物事を考えるのは本当に難しく、とにかく苦戦し続けていたように思う。自分の知識不足しかり、1つの症例と向き合うことの難しさしかり、多くのことを学べた時間だった。また、技師の方々の邪魔にはなっていたと思うが、標本作製の様子を見学でき、大変勉強になった。特に迅速診断の標本作製→診断→報告を見ることができて良かった。"迅速"とはいえ、手間がかかるのだから焦らせる外科医にはならないようにしようと思った。

・実習では、細胞や組織を見て診断を行ったり、実際に自分たちで標本作製や免疫染色、また、臨床経過や病理所見から得られた情報をもとにCPCを行った。組織を見ることは、今までの授業で経験していたが、細胞診をするのは初めてだったので勉強になった。標本作製や免疫染色は、どのような行程で、どのくらい時間がかかっているかを知る良い機会となった。CPC実習では、初めに思っていた以上に、細かい所まで考えることが難しかったが、班の人と知識を共有して理解を深められて良かった。

・ポリクリが始まって最初の科が病理で良かったと思うことが2つある。1つ目は、様々な専門領域を勉強する前に、全身の臓器を勉強することができたことである。特にCPC実習では、1人の患者さんの中でも臨床所見、肉眼所見、組織所見の全てからどのような病態であったかを沢山の先生のアドバイスをいただきながら、また学生同士で疑問点を調べて分かったことを説明して共有していくことはとても勉強になった。2つ目は、標本を作製する過程や診断などについて講義で習ってはいたが、実際の作業を見学させていただいたり体験させてもらうことができた点である。今までは分からないことは覚えるといった勉強法だったが、考えるといった勉強法が身についたのはとてもよかったと思う。