病理診断科ポリクリの感想(○×△班の感想) (2018/07/09)

患者診療における病理診断の重要性をどのように理解したか。

・患者さんが抱える疾患にアプローチしていく際に、考えうる症状について組織レベルで病態を把握する事が出来る。肉眼所見や組織・細胞所見を評価していくことで、症状の進行や病変部位、ステージング、炎症の種類をより正確に理解する事が出来る。
病理診断の知識も駆使する事で、鑑別診断を評価する事が出来る。

・2年、3年と病理を勉強してきましたが、今回の実習ではじめて臨床とどう関わっているかを知る事が出来たように感じます。
病理の問題を解く時は、症例やスライドが提示されて答えますが、実際は自分でこの患者さんではどのような病態でどのような所見が見られるかを推測してスライドを見ていました。病理は特に科をまたいで広い視野を持ち、あらゆる起きるであろう事を頭に置いて患者さん(疾患)と向き合わなければならないのだと感じました。

・診断によって治療方針が決定し、治療方針が適切であるかどうかによって患者の予後が左右されることを踏まえ、病理診断は診療の場に必要不可欠であると学んだ。
また、死亡した患者さんについて、臓器の肉眼像や標本の組織像から、死因の解明をし、臨床診断と一致しない点について臨床医と議論し合うCPCによって、今後の医療に活かすべき物事は何か学ぶ事ができると実感した。

・手術の際に外科医は病理医の診断なくしては手術できないという点で、病理診断の臨床現場における重要性は非常に高いと考える。実際に、CPC実習を経験して、患者に何が起こっているのか臨床医と同じように身体所見や検査所見から考えて、病理で何が確認されそうかをあらかじめ見当をつけてから顕微鏡を覗き、実際にそれが確認できるのかを確かめ、さらに治療法が本当にこれで合っていたのかを検討して、助けられなかった症例から学ぶ事で次の症例に活かすという意味でとても重要な役割を担っていると感じた。

・呼吸不全という症状1つでも、気腫、肺胞性肺炎、間質性肺炎など、考えるべき疾患が様々ある。その中で1つの疾患の中の1つのタイプに絞る事ができるのが病理診断である。

・また、術中迅速診断では悪性の病変部が取れているか、そもそも良性か悪性か、また、原発性か転移性かを正確に診断することで術後の患者の予後を最終決定することになる。
剖検では、その人に下された診断が正しかったのか、された治療が逆に死因になっていないかなどを調べる事により、これから先の患者診療をする臨床医の糧となる。ゆえにCPCは過去を振り返るだけの検討会ではなく、これから先の事を考える検討会である。

・病理における細胞診断や組織生検によって患者のその後が決定付けられることから、その重要性を深く感じた。
死亡した場合もそこから臨床医が反省点を見出し、次の患者に活かすことをさせるという点からも診療と深く結びついていると強く思う。病理における病態の理解は患者の診断のために思考の土台として大事にしていきたい。


病理診断科臨床実習の感想

・五日間という短い実習期間であったが、標本作製や免疫染色、組織・細胞鏡検等に参加させてもらえたのでとても有意義な実習だった。
CPC実習を通して、1つの症例を検討していくなかで、班員で協力して、時間をかけても正確にはなかなか辿り着く事ができなかった。
限られた時間で正確な診断を下すには、総論の理解がとても重要だと感じた。患者を直接診るわけではないが、総合的な知識や他科との連携が求められており、自分の抱えてたイメージよりもはるかに臨床に近い科だと感じた。
5日間ありがとうございました。

・呼吸器外科などで迅速診断をして次の手術方針を決めるという場面に何度も遭遇していて、病理ではどのようなことが行われているか興味があったので見ることができてうれしかったです。
特におもしろかったのは、目的によって標本の作り方も違うことでした。迅速ではホルマリンではなく凍結させる為、脂肪組織はうまく見られないなど、実際にスライドを作ることでしっくりくる部分が多く毎日とても楽しかったです。個人的に上杉先生のファンなのでウキウキで実習させて頂きました。
ありがとうございました。ポリクリで枠を勝ち抜いたらよろしくお願い致します。

・実際に標本を見て所見から推測できる病態は何か考える力を身に付けることができたと思う。とくにCPCにおけるフローチャートの作成を通し、病態全体について深く理解することができた。
診断を依頼してから、診断されるまでの過程において、標本をどのように作製し、病理医の方がどのように診断をつけているのか、実習期間で実際に見たことを忘れずに、臨床現場で働く医師になりたいと思う。

・病理診断科をまわって、今まで病理医は病理像だけを見て診断していると思っていたのが払拭され、病理医も主治医からのコメントや、患者の実際の臨床経過や症状、身体所見などからも患者像を想像して病態を考えた上で、病理所見を加え、診断を下していることを知った。

・普段実習などで見ている標本がどのような過程で作られているのかを見ることができ、その過程を学習することで、何が見えて当然なのかまたは異常なのかを再確認できてよかった。
1つの症例に対してグループで話し合う、CPC実習では、意見を口にすることで、ただの絵合わせだけにならず、病態も整理できたのでよかった。

・本当に忙しく大変な量の業務を先生方はこなしているのだということを改めて感じた。
CPC実習は議論にどう参加すれば良いのかがよく理解できたし、総論の良い復習になったと思う。先生方同様に技師の方々も非常にレベルが高く、切片作製などでも丁寧に教えて下さったのがうれしかった。