患者診療における病理診断の重要性をどのように理解したか。
・患者さんが抱える疾患にアプローチしていく際に、考えうる症状について組織レベルで病態を把握する事が出来る。肉眼所見や組織・細胞所見を評価していくことで、症状の進行や病変部位、ステージング、炎症の種類をより正確に理解する事が出来る。 病理診断の知識も駆使する事で、鑑別診断を評価する事が出来る。
・2年、3年と病理を勉強してきましたが、今回の実習ではじめて臨床とどう関わっているかを知る事が出来たように感じます。 病理の問題を解く時は、症例やスライドが提示されて答えますが、実際は自分でこの患者さんではどのような病態でどのような所見が見られるかを推測してスライドを見ていました。病理は特に科をまたいで広い視野を持ち、あらゆる起きるであろう事を頭に置いて患者さん(疾患)と向き合わなければならないのだと感じました。
・診断によって治療方針が決定し、治療方針が適切であるかどうかによって患者の予後が左右されることを踏まえ、病理診断は診療の場に必要不可欠であると学んだ。 また、死亡した患者さんについて、臓器の肉眼像や標本の組織像から、死因の解明をし、臨床診断と一致しない点について臨床医と議論し合うCPCによって、今後の医療に活かすべき物事は何か学ぶ事ができると実感した。
・手術の際に外科医は病理医の診断なくしては手術できないという点で、病理診断の臨床現場における重要性は非常に高いと考える。実際に、CPC実習を経験して、患者に何が起こっているのか臨床医と同じように身体所見や検査所見から考えて、病理で何が確認されそうかをあらかじめ見当をつけてから顕微鏡を覗き、実際にそれが確認できるのかを確かめ、さらに治療法が本当にこれで合っていたのかを検討して、助けられなかった症例から学ぶ事で次の症例に活かすという意味でとても重要な役割を担っていると感じた。
・呼吸不全という症状1つでも、気腫、肺胞性肺炎、間質性肺炎など、考えるべき疾患が様々ある。その中で1つの疾患の中の1つのタイプに絞る事ができるのが病理診断である。
・また、術中迅速診断では悪性の病変部が取れているか、そもそも良性か悪性か、また、原発性か転移性かを正確に診断することで術後の患者の予後を最終決定することになる。 剖検では、その人に下された診断が正しかったのか、された治療が逆に死因になっていないかなどを調べる事により、これから先の患者診療をする臨床医の糧となる。ゆえにCPCは過去を振り返るだけの検討会ではなく、これから先の事を考える検討会である。
・病理における細胞診断や組織生検によって患者のその後が決定付けられることから、その重要性を深く感じた。 死亡した場合もそこから臨床医が反省点を見出し、次の患者に活かすことをさせるという点からも診療と深く結びついていると強く思う。病理における病態の理解は患者の診断のために思考の土台として大事にしていきたい。
|