教室の概要と展望

教育

概要: 病理学の講義は現在では、基礎病理の講義枠で胃と腸の講義と実習を担当しています。
ポリクリでは 2 週に 1 度の月曜日に病院病理の実習を担当しています。

 講義は基礎病理と病院病理とでは教える内容が異なっていると思っています。 21 世紀の病理は臨床医学としての病理学の時代であると認識しています。医学教育は現在変革のまっただ中にあると思います。モデル・コア・カリキュラム(コアカリ)の導入、診療参加型臨床実習の実施などが中心的話題と思われます。コアカリ内容に沿った共用試験 (computer based test, CBT) や客観的臨床能力評価試験 (objective structured clinical examination, OSCE) も、平成 17 年からは正式実施されています。病理学の講義もこれらの流れに沿った変革が行われつつあります。
 特に後者の実施に当たっては、基礎病理と病院病理の統合が有効的に作用するものと思います。しかし新しい教育方法も重要ですが、従来の方法にもまだまだ個人的な努力の余地が残されていると感じています。医学教育のセミナーを受講すると必ず OHP の使用を推奨されます。しかし、これは学生には不人気です。学生は本能からか OHP の内容をノートに書き写すようで、実際の講義での話しはほとんど聞いていないようです。
 そこで私は自分の講義範囲の講義ノートを作成しそれを出席した学生に配付しています。講義中はそれを中心に重要な部分を指示し、それ意外の部分は後日自室で勉強するよう指導しています。そうすることにより、学生はノートの作成から開放され講義中の私の話しを聞くようになりました。また講義中に積極的に内視鏡やレントゲンなどの臨床情報をスライドで学生に提示します。もちろん、マクロや組織標本の写真も供覧します。
 これらの行為は初めて病気に接する医学生には新鮮かつまた強い臨床医学への動機づけになるようです。このようなスライドの使用方法は有効で、この時間に睡眠に入る学生はほとんどいません。
 病理部での卒前教育は 2 週に 1 回1週間のポリクリに講義と病理診断演習を行っています。後者は重要な生検例を中心に、国家試験を少し意識した設問を用意し、学生と討論を行っています。そこでは知識の伝達のみではなく、私の医師としての実際の経験談なども話しするようにしています。学生はかなり熱心に参加してくれます。要は、学生にいかにして自主的な学習をさせるかが重要と思います。本学の病理診断科のポリクリは積極的に免疫染色や病理診断、CPCなどに参加し自分で考えてもらうようにしています。

 最近の学生の無気力が話題になることがありますが、私の経験からは必ずしもそうではないと考えています。確かに考え方に違いがあり、 generation gap が存在することは事実ですが、今の若い世代も充分 high potential です。学生とは迎合ではなく、相互理解できる関係でいたいと考えています。


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